プロジェクト実績
GROWTH 高速ADC/FPGAボードによる雷雲研究プロジェクト
概要
本ボードはガンマ線や高エネルギー粒子のエネルギーや到来時間を計測するパルス計測実験むけに開発された波形取得型のADC・FPGAボードです。
・サンプリング周波数65MHz(12bit)のADC搭載
-アナログ4ch同時入力可能
・FPGAはXilinx Artix-7 XC7A35T-1FTG256Cを搭載
・40ピンの拡張コネクタを2つ搭載
-RaspberryPi 3およびユーザ独自の拡張基板を接続可能
科学実験での使用例
本ボードは雷雲における粒子加速とガンマ線放射を研究する「雷雲プロジェクト」/GROWTH実験において、屋外に設置するガンマ線検出器システムのデジタル信号処理システムとして京都大学ほかと共同開発され、採用されました(2016年度)。本ボードを用いた実験からは、雷が引き起こす原子核反応などの新しい科学成果がうまれています(Enoto et al., 2017, Nature)。詳細はプロジェクトのウェブサイト(https://thdr.info)や以下の発表資料を参照してください。
・榎戸輝揚, “雷雲ガンマ線の多地点観測プロジェクトが拓く新展開” (日本地球惑星科学連合 2017年合同大会)
・Wada et al, “Initial results from a multi-point mapping observation of thundercloud high-energy radiation in coastal area of Japan sea” (American Geophysical Union (AGU) Fall Meeting)
・和田有希, “可搬型検出器による雷雲由来の電子加速と高エネルギー現象の多地点観測” (平成29年度 東京大学宇宙線研究所 共同利用研究 成果発表会)
チュートリアルとFPGA/C++プログラムのサンプル
ボードの仕様や使い方のチュートリアルは、「雷雲プロジェクト」の成果公開の一環として以下のウェブサイトで公開されています。
2. GROWTH FPGA/高速ADCボードの拡張コネクタ
3. GROWTH FPGA/高速ADCボードのFPGA書き込み
4. パルス計測プログラムgrowth_daqのビルドと測定実行
FPGAのソースコードおよびLinux/macOS向けのデータ取得ソフトウエアのサンプルはgithubで公開されています。