プロジェクト実績
ZDAQ-SoCを用いた太陽コロナの観測
ZDAQ-SoCについて
ZDAQ-SoCは、ZYNQ FPGA(XC7Z045-1FFG900)を搭載したLinux上で動作する高速、大容量データ収集ボードであり、JAXA、国立天文台、大阪大学、沖縄科学技術大学院大学、東京大学、名古屋大学など様々な分野で研究を進めている研究者がシマフジ電機に集まり、標準化をめざして仕様の作成を行い、シマフジ電機で製作しました。
ZDAQ-SoCは用途に合わせたシステムを可能とするため、ボード上のFPGA端子に直接接続できる方式の拡張ボードを搭載可能です。
ZDAQ-SoCによる太陽コロナのダイナミクス調査
2017年から2018年にかけて、ZDAQ-SoCを使用した、新しいタイプの太陽X線観測システムがJAXA、国立天文台、名古屋大学、東京大学を中心としたグループによって開発されました。このシステムでは、ZDAQ-SoCの拡張ボードとなるCMOS-センサボードを開発し、ZDAQ-SoCと組み合わせて使用しています。
太陽コロナ現象(太陽フレアなど)の典型的時間スケールは数分以下であり、今後の太陽X線観測のためには数十秒、またはそれ以下の間隔でエネルギースペクトルから物理的パラメータを取得できなければなりません。そのためには、1秒間に数百回以上の連続高速撮像が必要です。そこで、低ノイズで高速なCMOSセンサを用い、その制御をZDAQ-SoCで行い、1.2Gbpsという多量のデータ記録をZDAQ-SoC上のARMプロセッサでシームレスに実現することにより、高速な撮像とイメージの読み出しを可能としました。
本システムは、2018年8月に予定されている、ミネソタ大学、カリフォルニア大学バークレー校、NASAとの国際共同観測ロケット実験(FOXSI-3)に採用され、太陽コロナのダイナミクス調査のための軟X線(0.5~10keV)撮像分光観測に用いられます。
このプロジェクトの論文(英文)はhttps://arxiv.org/abs/1711.04372に公開されております。ご興味のある方はご参照ください。
NDIP17(8th International Conference on New Developments in Photodetection)
でポスター発表した資料です。